永井均「これがニーチェだ」冒頭の大江健三郎批判、ソクラテスについて。

大江健三郎は下記の文章を朝日新聞に投稿した。 テレビの討論番組で、どうして人を殺してはいけないのかと若者が問いかけ、同席していた知識人たちは直接、問いには答えなかった。私はむしろ、この質問に問題があると思う。まともな子どもなら、そういう問い…

ハンチバックと地続きな「我々」。

障がい者と健常者は生物的に連続的だ。そして、社会は障がい者だろうと健常者だろうと生きていくために必要であるが、また、逆に社会がそれぞれを隔ててもいる。 重度障がい者であるハンチバックの主人公は、弱者の代弁者を気取る読書文化のマチズモ性を断罪…

人の命

大学院生やらしてもらって、勿論研究のためにほとんどの時間使ってるけど、少なくとも自分の時間はある。というか全く完全に時間に余裕がなければ思索に耽ったり、他分野の余計なものを見たりとかできないから、激務も激務で全く余裕ないような感じではない…

何か見た

「医学部に入らずに東大に入れば、有名企業で高収入を得ながら、夜勤や過酷なコールで睡眠を妨げられることもなかったんだけど」という旨のツイートを見ました。 それに対して、「本気で医者をやっている人なら、そんな甘い考えは持たないだろう」といったツ…

研究

大学院に入ってはじめて勉強というものをしていると感じる。 受験勉強は暗記科目がことさら苦手だったわけじゃないが好きじゃなかった。物理や数学では、頭を回転させる喜びがあった。けれども所詮は問題があって答えのある勉強だった。 学部時代の勉強は、…

帰り道に徒然に思うこと

高校を卒業して大学に入学して専門を学んで大学を卒業した。もう3年以上も仕事をしてお金をもらっていて、結婚もして娘もいる。もう少し歩けば家族がいて、出迎えてくれる。そんな当然の毎日。ふと、帰り道に足を止めて、周りを見渡してみると、我に返った。…

初めて女の子の家にいって二人きりになって、これから始まる愛の告白に鼓動がうるさくて冷静でいられない。そんな瞬間から、7年が過ぎた。自分が人からどう見られているか、自分はなんのために生きているのか、愛とは何か、そんなことばかり考えていた青年期…

断酒

妻の里帰りで独身時代に戻ってしまったようだ。昨日記憶をなくすほど酔って後輩に怒られて妻に泣かれてもうこんなことはやめにしたいと思っている。ここ1年は潰れるほど酔うことはなかったけど、またやってしまった。一杯飲めば判断力が鈍り二杯、三杯と進ん…

ある一日

朝、妻と同じ布団で目覚める。眠っている顔を見てなんてかわいいのかと思う。しかし、眠気に負けてもう少しダラダラとする。アラームの音で妻が起き出してどうやら朝ごはんを作り始めたようだ。妊婦にそんなことやらせるわけにはいかないと思う気持ちはある…

ミーム

僕らを突き動かすモノは何なのだろう。毎日繰り返される朝、まだ横になっていたいという本能に逆らって体を布団から引き剥がして、義務的に向かう職場。誰かがしなければいけないことを次々と処理をしていく。溜まった仕事が消化されていくことにゲーム的な…

久しぶりのジョギング

ジョギングはいい。衰える一方の筋組織や末梢神経に血液を流し込むだけではない。情報にがんじがらめになっている日常から自分を強制的に引張り離すことができる。チャット、SNS、ニュース、音楽、動画、教科書はアパートに全部置いてきて、頭を空っぽにでき…

二年目

仕事を始めて一年と一か月が過ぎた。初めの3か月は毎日朝起きることにすら疑問を持っていたが、じきにそれもなくなった。半年で仕事それ自体にも慣れてきた(仕事ができないことに慣れてきた)。後輩もでき、いつまでもできないことに甘えていられる立場でも…

通夜に行く

去年の年末は散々だった。上気道症状は乏しかったけど下痢と39度の熱が出た。健康な成人がそんなに熱が出てすぐ下がるってことない。年末のために抗原検査はできなかったが臨床的にインフルエンザだろう。それでもって毎年恒例の高校の友人との飲み会に参加…

シンゴジラ

仕事が始まって4ヶ月。ようやく仕事に慣れてきました。いや、仕事自体に慣れたわけでは決してなくて、仕事をする、仕事に行くことに慣れてきただけです。ようやく。6年間は家で寝る、遊ぶ、酒を飲むという日常がベースでしたので新年度からはなかなかに参っ…

映画アイアムアヒーロー

漫画アイアムアヒーローとゾンビ映画が好きな僕がこの日を楽しみにしていないわけはありませんでした。映画アイアムアヒーロー、見てきました。 正直最高でした。 これよりネタバレ含みます。(言葉によるネタバレはこの映画を楽しむ上で関係ないですが) 良…

神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流

杉晴夫先生の神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流を読んだ。おそらく脳科学というものに多少なりとも興味を持っている人間が手にとるようなタイトルとなっている。改訂版でタイトルが変わったらしい。しかし期待している内容とは違い、むしろ脳科学礼讃に…

110回医師国家試験と中島敦

この土日で医師国家試験が終わった。5年間酒やラグビーに興じていた自分を省みて、一念発起して勉強し、なんとかせいぜい平均くらいにはなれたと思う。優秀とは言えないが別段悪い成績ではないだろう。さて、三日目のIブロックを解いている途中で、はて今解…

イニシエーションラブ

イニシエーションラブを読みました。国家試験まであと1ヶ月なのに。 時代を考えても恋愛ジャンルだということを考えても、いわゆる○○トリックものに触れたことのない読者を想定して書いてあるってことが重要だ。今、何冊もミステリを読んできた人がこれを読…

アイアムアヒーロー18集

アイアムアヒーロー18集が出ました。映画も前情報の限りはいい出来みたいで楽しみです。 表紙、グリーンのカッコよさ、やばいですね。ついにヘリが飛ぶんでしょうか。この先の展開もワクワクします。 表紙は浅田です。浅田のモデル、浅野いにおはおやすみプ…

ゆゆ式5話考察

ゆゆ式5話に対して微妙な距離感だの狂った歯車が戻らなかっただのと言っているブログを見たのでちょっと言わせてください。たしかに5話ではゆずこの行動は空回りし続けて、さらには自分の知らない子供のころの唯と縁のエピソードを聞かされてしまいます。そ…

野火

戦争で重要なのは兵站だと聞く。補給のない状態では作戦など机上の空論だ。レイテ海戦はひどいありさまだったがレイテ島ではより悲惨だったようだ。 映画野火を見た。そこには戦争があった。リアルな戦争。主人公は敵兵と戦う状況にすらならなかった。ただ優…

フェルマーの最終定理

卒業試験の合間にサイモン・シンのフェルマーの最終定理を読んだ。大学数学以降の知識が全くなくてもなんか理解した気になれる良書だった。焦点は数学の歴史、発展、数学者たちの熱い人生にあった。ちょうど理系に興味はありますよ、専門は違いますけどとい…

Day of the Dead

お盆でしたね。ということでリメイク版デイオブザデッドをHuluで配信してたからついに見ました。 正直、最高でしたね。 走るゾンビだから古典的ゾンビ主義者としては「・・・」となる場面が最初はあったけど、だんだんと慣れてきて最終的にはにグロを純粋に…

がっこうぐらし

萌え日常アニメ、がっこうぐらしを見た。 これより先は見てない人は慎んでください。 そもそも萌え日常アニメは大好きで、もともと見ようとは思ってたんだけど、Twitterや2ちゃんねるでぶひぶひ言ってる奴が誰もいなくて、さらには何か単純ではなさそうだと…

ナインストーリーズ

自分のアパートから離れてホテルの部屋の中、僕の荷物は少ない。本もパソコンもクッションもない。落ち着かないのはここが僕の居場所じゃないからか。実習はぬるく、疲れてもいない。ただ焦りだけが募り、恵まれた環境で心だけがもやもやと晴れない。今日は…

ショーンオブザデッド

多分4回目くらいだけどショーンオブザデッド見た。文句のつけようがない。ゾンビ映画にそれぞれ求めているシーンというのはあると思うけど、それをしっかり押さえていて、それでいてギャグのタイミングも最高。キャラもいい。素晴らしい。 僕の欲しいシーン…

アイアムアヒーローin Osaka

Web漫画のアイアムアヒーローin Osakaを読んだ。最初の数ページは最高の絵でとくにヘリコプターのあたりとか興奮した。でも内容がいろいろ詰め込みすぎて読みにくい。ゾンビパニックやりたいんだろうけど、盛り上げ方が弱い気がした。一回グロをしっかり見せ…

純粋

昨日の飲み会でのある友人の話。 「僕の恋バナ?話してもいいけどただ僕が純粋だってみんな思うだけだよ。 僕は双子なんだけど、昔から双子の弟の方がモテてて、というかちゃらくて、バレンタインデーとかも女の子が僕を呼び出して弟にチョコを渡すように頼…

それ町の時系列考察

それでも町は廻っている、通称それ町14巻買いました。あれ時系列バラバラなんだよね。つーことで考えたいです。今回の話がどこにあたっているのか。1つ1つ読んでいくのは時間がかかるのでまずはメルクマールというか大きなイベントがどこかを考えたい。 一年…

アイアムアヒーロー17集

あの言わずと知れたアイアムアヒーロー考察サイトが最近全く更新されなくなりました。13とか14巻あたりで単行本に付属された冒険の軌跡、のオリジナル版を作ったサイトです。本編でZQNが物質的な融合をし始めたあたりから明らかに管理人が興味なくしちゃって…