ある一日

朝、妻と同じ布団で目覚める。眠っている顔を見てなんてかわいいのかと思う。しかし、眠気に負けてもう少しダラダラとする。アラームの音で妻が起き出してどうやら朝ごはんを作り始めたようだ。妊婦にそんなことやらせるわけにはいかないと思う気持ちはあるが、朝の耐え難い眠気に負けて卑怯にもまだ寝ているふりをして朝ごはんができるのを待つ。そんな僕を知ってか知らずか作り続ける妻を寝室の向こうに感じ続けるのも耐え難くなり、いよいよ起き出して洗顔や着替やトイレを済ませる。ご飯を食べて他の準備もすっかりして仕事場に向かう。車で1時間。バイパスに乗り、いつもの渋滞。音楽はシャッフルで流れてるけど、自分で入れたかも覚えていない曲ばかりがかかる。僕が熱中している歌ではなく、他人の歌だと思う。職場について早速書類作業をこなして朝のミーティング。そしてコーヒーを飲みながら他愛のない会話をして午前の仕事を始める。ルーチンワークをこなしながら、緊急の仕事がいくつも自分の電話にかかる。他のメンバーに仕事を振り分けるのも面倒で自分で抱えそうになるがなんとか捌いていく。いつも申し訳ないですと慇懃に言われるが、それを慇懃に返す言葉を思いつくのも難しい。そんな余裕のない自分が嫌になる。帰るのはみんなが帰った3時間後。そんなに仕事が終わらないのは効率が悪いだけなのか分からない。自分の仕事量は他の人より明らかに多い気がする。でもそんなことを思う自分が嫌だ。忙しくて、疲れているのが自分だけだと思うなんて、なんて自分は呆れるほど幼稚なのか。夕飯にカップヌードルを啜りながらパソコンに文字を打ち付ける。誰のための仕事なのか。もはや分からない。正しいことややるべきことも何もかも分からない。それでも21時前には家に帰ってきて、といっても今日は仮の宿だけれど、その女アレックスを読んで興奮して娯楽に浸る。久しぶりにブログも書いた。そろそろ寝よう。明日のために。