命の価値

命には価値があると思いたい。それが人を救う原動力になるからだ。もし命に意味がないなら医療者、また多くの職業はなんのためにあるのだろう。
でも果たして何も考えていない(ように見える)、脈や呼吸が続いているだけの患者は生きる価値ある命なのだろうか。もちろん社会ではこんなことはいえない。こんなことを言ったところで僕になんのメリットもないからだ。だが多くの人々が限りある人生の時間を犠牲にしながら労働し生み出された税金を投入し、家族や医療者が献身的に尽くして生かされているが今後治る見込みもなく正常な思考のできない命。そこに価値はあるのだろうか。
もしないなら命の価値は正常な思考にあるのだろうか。では何も考えずに毎日をただ生きている僕や君の生きている価値とはなんなんだろうか。命に価値があるのならこの世には70憶もの価値ある命があり、僕の命はその70億分の1の価値をもつということなんだろうか。そんなのってある意味残酷だ。
僕はもとより誰の命にも価値がない、その方がよっぽど気が楽だと思う。本当なら全く価値のない命を楽しむことができるってとっても素晴らしいと思うから。