冬の玉子かけご飯

大学は春休みに入ったけれど一昨日の夜から今年一番の寒波がやってきた。

その力は車を雪で覆い隠し掘り出さないと動くことはできなさそうだ。

三寒四温というがまだまだ冬は僕らを陽気にさせまいと抵抗している。

事実上は春休み、しかし実はテストが2月いっぱい詰まっている。

車と同様に僕も身動きができないままだ。

朝起きて歯を磨き顔を洗いコーヒーを淹れる。

炬燵に潜ってレジュメに線を引く。

朝食は玉子かけご飯、昼食は玉子かけご飯だ。

(冷蔵庫は玉子保存機械と化している)

勉強に疲れれば欲望がティッシュ・ペーパーに吐き出され捨てられる。

そうして一日が過ぎていく。

単調で乾燥していてどこにも向かわないように思える一日だ。

同じことを繰り返しているような毎日だ。

しかし確実にぐるぐると廻りながら螺旋の上へと進んでいる。

いいじゃないか。

雪はいつか融けるし春はやってくる。

春になれば沈黙を続けていた木は芽を出して歌いだすし、震えていた鳥も踊るように飛ぶ。

僕も外に出て美味しいものを食べて笑う。

自然界に従って僕も今は巣の中でじっと耐えることにしよう。

そして今日の夕食は玉子かけご飯にしよう。